4月5日 (火)  

誰も知らない子守歌

向かいのベッドにRayと同じ日に入院してきたハツコさんがいる。96歳、さすがに息子さんの顔を時々忘れるお年頃だが、食欲はすごい。たまに聞かれる言葉使いは、関西のいいトコのお嬢さんだったということを想像できる。顔も性格も穏やかでナースコールも押さず(ナースコールの存在も忘れるのかもしんない)、まさに生き仏のような人だった。ナースたちの間では「423号室の窓際の2人は『なごみ系』だ」と言われていた(片方は毒舌をはきまくるのになぜだ(爆笑))。
この頃消灯30分後くらいに歌っているような声がかすかに聞こえてくる。はじめは病院だけにこの世では聞こえてはならないヤバイ声なのかと思ったが(爆笑)、どー考えてもハツコさんだ。ただ同室のおばあさんたちには耳が遠くて聞こえないし、若いママは寝付きがよくて聞こえてはいないらしい。何を歌ってるのかはしばらくはわからなかったが、、、、。
 ♪ねんねんおこりこ おこりこ〜 坊やは良い子だ ねんねしな〜
翌日Uさんに「ハツコさんが子守歌を歌っているのを聞いたよ。すげー優しい声だった」と言ったら、「へーハツコさんの子守歌、私も聞きたい」。でも半信半疑ぽかった。昼間にも歌ってくれたのだが、必ず他の患者さんたちがリハビリに行っていてナースも来ない昼前だったりして、どーやって証明するかと(爆笑)。