2011/02/08 (火)
■NYカーネギーホール・コンサート 1 コンサートと結婚30周年の記念を兼ねて、1月27日にニューヨークに向け出発した。前日からの降雪でケネディー空港は13時間閉鎖となったが、我々が乗ったデルタ航空は1時間遅れで無事に舞い降りた。 その夜は、国際弁護士として活躍している同窓生の桝田夫妻と「そば日本」で食事。彼の事務所の但木氏がミュージカルなどに詳しいので、案内してもらうことになった。 翌日はさっそく『ミリオンダラー・カルテット』を5人で観劇。エルビス・プレスリー、ジョニー・キャッシュ、カール・パーキンス、ジェリー・リー・ルイスという4人の大スターが若い頃、サン・レコードで一枚の写真に収まった実話をもとに作られた新作のミュージカル。出演者の歌と演奏が見事で、すごく楽しい作品だった。映画『君につづく道・ウォーク・ザ・ライン』を思い出す。 3日目は『ラカージュ オ フォール』出演者が達者なゲイで、笑わせ泣かせてくれる。ブロードウェイの役者は実力者ぞろいで懐が深い。 4日目はブルーノートでジャズに浸る。トニー・ウィリアムスを偲んで作られたクァルテットだが、その演奏のすごさに圧倒された。1曲目から45分以上の激しい曲に、シンディー・ブラックマンという女性のドラマーは、トニー・ウィリアムスをほうふつとさせる凄まじいドラミングで迫った。 翌日からはホテルのジムで汗を流し、コンサートに向け体調を整える。時差ぼけを乗り越えるには運動と睡眠が大切。我々のホテル、団体のホテル、桝田氏の事務所とアパート、カーネギーホールが57thストリートに並ぶ立地条件に、不思議な因縁を感じた。向かいには日本人倶楽部があって、日本食を食べながら話していると、まるで日本にいるような雰囲気だった。 日本からのツアーも到着、いよいよ公演が翌日に迫った。IFAの支部担当者や桝田夫人の努力で、切符が足りないくらいになったそうだから責任を感じる。日本の関係者から音響が良くないなどの情報が入っていたので、ちょっと不安になった。アメリカはユニオンが強力だから、スタッフも音響もすべてカーネギー任せなので、意思の疎通が大事だ。 今回は手始めということで、カラオケ使用の50分ステージだから曲数もそんなに多くない。ただニューヨークのお客様は、本場のものや日本からの来演で目も耳も肥えているから、真っ向勝負で行くしかない。リハーサルを念入りに行うために、桝田氏が事務所から英語の堪能な若手を送り込んでくれた。私とマネージャーの意思を、向こうのスタッフにの方に念入りに伝えないと、良い結果が出ない恐れがある。 ピアノなどの楽器演奏が主なホールだから、PAは補助程度に使われる。スタンドのついた、高さが60cm位のスピーカーが両サイドにあるだけの簡単なものだ。半分くらい内側に振ってカラオケの音が直接聞こえるようにした。 いよいよリハーサルに入る。一曲目は派手なオープニングがついた『Tonight』。唄ってみた感じでは音は悪くない。こういう小さなスピーカーのPAでは、声にパワーがないと抜けが悪くなり、ホールの隅々まで明瞭な音が浸透しない。その点は大丈夫だろう。 唄い出したとたんに、スタッフの態度が一変した。「おぬし、できるな!」という感じなのだ。こちらの注文にも進んで協力してくれるようになった。 次回に続く…。
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