2011/02/09 (水)
■NYカーネギーホール・コンサート 2 1部のブーケショーの後、15分間の休憩をはさんでいよいよ50周年記念コンサートの開始となった。 1曲目は『Tonight』マンハッタンのウェストサイドが舞台になったミュージカルの曲だ。現在は再開発されて近代的ビル群になっている。「今夜は素敵なお客様に出逢える特別な夜」という意味でディナーショーの開幕に使っている。幕がないから上手サイドのドアから舞台に登場し、軽くステップを踏みながら歌う。途中からささやくように歌っても声の通りはよさそうだ。唄い終わって大きな拍手を頂く。 日本人の観客がほとんどだからご挨拶も日本語で。NYでもヤマトは浸透しているから皆様の反応は温かい。『Can't Help Falling In Love』『G.I.Blues』『Love Me Tender』とエルビスナンバーを3曲。50年唄ってきたナンバーだからここまで順調。 吉田正先生との出会いや曲のことを話しながら『おまえに』。先生の遺作となった『雪の慕情』を唄う。そして記念曲の『風の会話』。はじめて聞かれる歌だし日本語の歌はどうかなと思っていたが、アメリカでの生活が長い方は日本語の良さをよく分かっているから、歌詞の受け取り方が深いようだ。ヤマトを期待していらしていた方からも、すごく感動したとの言葉を頂いた。 『銀河鉄道999』『宇宙戦艦ヤマト』とアニソンは2曲のみ。やはり名曲は皆さんの乗りが良い。カーネギーのステージに立つきっかけを下さったIFAの理事長と、何かと面倒を見てくれた桝田夫妻に感謝。そして日本語の歌詞で『My Way』を唄って(これも好評でした)、約1時間のショーを終える。
皆様の反響は想像以上で、会場では涙を流していた方が多かったそうです。雪のニューヨークで『雪の慕情』が好評でした。日本語が大切に受け取られて、歌の良さが心に沁み渡ったようです。素晴らしいお客様から頂いた温かさはいつまでも忘れません。 ミキサーの方が両手を広げて女房に握手を求めてきたそうだ。良い仕事をした満足感があったのだろう。 コンサートにもいらしてくださった、日本料理の伝統を守り続けていらっしゃる倉岡氏ご夫妻から、次はもっと大きなホールでやれるように働きかけるとの言葉を頂きました。歴代の総理や著名な方々と懇意にしていて、日本人の公演にはいろいろご助力されていらっしゃるそうです。 今回のニューヨーク旅行で、日本にいる日本人が日常で失っていく物がすごく多いように感じた。日本の文化を失っていくようなことで商売をしているマスコミも、考える時期にきているような気がする。 海外に進出して頑張っている倉岡氏や桝田氏は日本人としての誇りと共に、世界的な競争社会の中で、日本はどう外国に立ち向かっていくかを実践している方たちだ。外国留学する若者が減り、日本全体が引きこもり、ウジウジと自己弁護の世界に閉じこもっていると、世界から取り残された国になってしまうだろう。現に世界的なランクの中で日本の評価はは落ちる一方だ。桝田氏もいずれは日本に帰って後進の育成に力を注いでいきたいと言っているように、狭い世界での達成感に満足せず、大きな社会に目を向けて生きていくことが大切なのだと思う。
(写真)改装工事中のカーネギーホールの前で。日本のように全部壊して立て直し…なんてことはしないようです。
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