Diary 2005. 5

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5月21日 (土)  

電動ベッド

今日は病棟中のベッドを電動ベッドに入れ替える日。手術後から今まで寝ていると左脚というか腰が痛くなって、朝起床時間にナースが来たらすぐに、腕をぐるぐる回しながら「ベッドを起こしてください」と言っていた。足の方にあるハンドルをぐるぐる回してベッドを起こしてもらうからだ。ソレも今日でなくなった。電動ベッドは最新式で、頭の方ばかりでなく、脚を上げることと、ベッド自体の高さもボタンで調節できる。NさんとRayはどこまで上がるか試してみた(ったく、おこちゃまな30代だよ(爆笑))。寝たきりの時にコレがあれば、桜は見られたかもしれない。

でも調子こいて脚の骨がひっつかなかったかもしれない(爆笑)。


5月22日 (日)  

U山さんキレる!

ミセスXは相変わらず昼夜を問わず・・・だった。夜は独り言ではない独り言はもちろん、枕元の電気をつけたり消したり、Rayが寝返りのためナースを呼ぶと必ず私も私もというカンジ。隣のNさんは迷惑極まりない。でも入院慣れしてて、耳栓とアイマスクを持って来てもらったらしい^^; すげー、でも入院慣れってどーゆうこと?(爆笑)

昼。ミセスXは入院してはじめの頃ナースコールの使い方を知らなくて「看護婦さん、看護婦さん」と小さな声で呼んでいた。それじゃかわいそうだから「そのボタンを押すと看護婦さんが来ます」とH田さんが教えてくれた。ところが今度は3分ごとにナースコールを押す。

「もういいっ。私向こうで本読んでるわ!」と今日U山さんがキレた。3分ごとにナースコールを押してナースに「トイレに行かせて」と騒ぐのだが、その会話に「ふふふっ」と人をおちょくるかのように笑う。その笑い方の波長でキレたらしい。わかるわかる。でも最大の事件はU山さんが退院した後に起こるのである(爆笑)。


5月23日 (月)  

カワイイ人

Nさんは今日退院した。面白い人だった。コノ病院がある区に住んでるらしいが、ミシンで右手の親指を縫った直後、すぐ慌ててココに来たワケじゃなかったのだ。インターネットで手の専門医を調べ、S先生がいるコノ病院に来たのだという(RayがS先生の専門を知ったのはNさんから聞いたから)。手が痛むのにパソコンを立ち上げインターネットで探すって、腰のすわった人だよな。でもなぜおっちょこちょいなんだ^^; そこがカワイイ人だった。


5月24日 (火)  

悪魔のささやきと白衣の天使の問いかけ^^;

朝1番のトイレに行って病室に戻る。隣のU山さんのカーテンはまだ閉まって、病室の入り口からRayのベッドは見えない。自分自身の悪魔のささやきが聞こえた。「自分で車椅子からベッドに移っちゃえ」。実行(爆笑)。車椅子からベッドに体を回転させるのは意外にスムーズにできたが、両腕の力が落ちていて、体を引き上げられない。なんとかベッドに上がった時、ナースのAさんに「Rayちゃん何してんの」と見つかる。この3日前にも同じことをして、Aさんに見つかった(爆笑)。「だめでしょ、ケガしたらまた大変よ。」と言った後に、「手術前から車椅子への乗り移りはできてたの?」と聞いてきた。「できてたよ」、「それじゃー、R先生にやっていいか聞いてみるね」と言ってくれた。「ついでに寝返りも自分でやっていいか聞いてみてもらえませんかね」とお願いした。

乗り移りは見守りつきでOK、寝返りもOKとなった。
寝返りOKということは、ナースに寝返りをしてもらうためにベッドサイドのスペースを空けておく必要がなくなり、ベッドを窓際につけられ、オーバーテーブルでパソコンを開いても邪魔にはならないということだ。やったー、これでパソコンが使えるゾ。早速出して使ってみたら、手があまり思うように動かない。コレは慣れるしかない^^;


5月26日 (木)  

これからな人

Nさんが退院した後同じベッドに、昨日現役女子大生のWさんが入院してきた(隣の隣の部屋にいるWさんとは別な人)。19歳。長身でいかにもスポーツウーマンってゆうカンジだ。この前の『笑ってコラえて!?』の高校生と同じで、あースポーツで青春してるなと。今秋の大会は絶望的と言って、焦りながら膝の手術を受けに来た。

「Wさんっておとなしいよね」とU山さんが言った。「当たり前じゃないですかー。周りみたら、自分の親よりかなり年上じゃないっすか。この前までのワタシと同じで、こんな状況でおとなしくするしかないっしょ」と言っちまった。「そりゃそうだよね。話すことと言えば、年金のこととお墓や葬式のことと将来の日本は不安だということだもんね」とU山さんもH田さんも大笑い。まだ病院で『お迎え』が早く来て欲しいと言うよりはいいけどさ(爆笑)。これから社会に出る準備をする人が話に加われる話題ではないわな(爆笑)。


5月27日 (金)  

んなことあるか^^;

移動図書貸し出しの日。ボランティアさんがワゴンでもってきた本の中には読みたいものがなかったため、2階のボランティア室まで借りに行く。本棚にある本が見えるように、いつもは外に出る時にしかかけない眼鏡をかけた。ナースステーションの横を通り、エレペータの前で「遅いって」と思いながらエレペータを待っていたら、ナースステーションにいるなっちゃんと目が合った。「それって老眼鏡でしょ」(爆笑)。んなことあるか^^;。その時からなっちゃんを天敵と呼ぶことに決めた(爆笑)。

病室に戻って来てすぐ、外来に行けと言われた。Y先生の診察を受けるためだ。入院患者だから待たないだろうと思ったが、甘かった。同じRAOの手術を受けて同じくF病院に転院する別な病室のWさんと待合室でしゃべりながら、1時間半(爆笑)。やっと呼ばれ診察室へ。Y先生が「(F病院でつかまって)歩くことをやってみるか?」とおっしゃった。「できたらすごいよな」、『コイツの回復ぶりなら夢ではないかもしれない』という顔をしてS先生もおっしゃった。
本人はまだやる気がなかった(爆笑)。


5月28日 (土)  

やってみるか

朝物音がして目が覚めた。ベッドを別な所からなっちゃんが運んで来たのだ。おいしすぎる。眼鏡をかけてきた(爆笑)。「それって老眼鏡だろ」、お約束どーりにツッコミを入れた。

同室のYさんは84歳。軽く認知症(っていいんすか?)はある。でもベッドと車椅子との移乗はかなり上手で一人でやりたがる(それもナースの悩みのタネなんですが^^;)。ナースを当てにして未だできないのではなくやろうとしないミセスXとは違う。その夜Yさんが、「歩いて今度転んでも大変だから」という末娘さんと車椅子を動かす練習を笑顔でしていた。とってもチャーミングな笑顔で手を振り返してくれた。
84歳で新しいことを覚えるってすごいこと。しかも楽しそうに。そんなYさんをみて、頭ん中のどこかにあるスイッチが切り替わった。「やってみるか」。これまでの人生で1度も二足歩行をしたことなんかない奴。昔歩いてたなら執念でも可能性がありゃやるはずだ。ところが歩けなくてもそれなりに謳歌してたもんで、今からこの歳で歩けるというカードを見せられても取る気がしなかった。
でも‥‥昨日まで宇宙飛行士の向井千秋さんの旦那さんが書いた本を読んでた影響もあるが‥‥そういうチャンスが来る奴なんかそんなにいない。「もう一生歩けません」と言われる人は多いけど。手術して、回復して片足だけでつかまり立ちも見守り付きで車椅子の移乗もできるようになった。挑戦して歩けなくても、今までの生活に近い生活はできるはず。ほんとに『駄目でもともと』。とりあえず今年中の猶予はある。こんなに有利なゲームはない。今までコノ言葉が出たら、とことんやっちまうやつらしい(爆笑)。


5月30日 (月)  

1月終わりにつくばの行きつけの美容院で髪を切った以来、切ってはいない。前髪を伸ばして2つに分けておでこを出したいのと、茶髪にしたいのが夢でさ。茶髪は会社を辞めてからやろうとしたが、前からおふくろが上の弟の茶髪が気に入ってないことを思い出して、会社を辞めた上に茶髪はいくら勝手なコドモでもハードだろと思い止どまった。今はあと何年かしたら白髪隠しをしないといけないんだからと思って(爆笑)、そのまま。
前髪を伸ばすのは、性格の問題でできない。前髪を伸ばす途中でウザくなり、切ってしまうのだ。意志が弱い。今回の手術入院をイイ機会だと思って、ヘアバンドを6本くらい買って来て、伸ばそうとした。寝ていれば確かに邪魔にはならなかった。しかし起き上がればやっぱウザい。しかも消したままのテレビに鏡のように映った、2つに分けてる自分の姿はどこかで見た顔。下の弟じゃん^^;

今日病院の出張床屋で髪を切ってもらった。さっぱりした^^;


5月31日 (火)  

ムリムリ

U山さんが今日退院した。U山さんは、Rayの30年後じゃないのかと思うほど、一人でどこまでも行くらしい。寺社仏閣めぐりと鈍行電車で動くことが好きで、入院前には鈍行電車で東海地方のある動物園までパンダの赤ちゃんを見に行ったんだって。「今度できたセントリア空港に露天風呂か温泉があるという話ですよ」とどこかのクイズ番組で得た情報を口にしたら、「ほんと? 退院したら行こう」だって(爆笑)。腰も悪くなるはずだ。U山さんと話していて思いっきり共感してもらったのは、「よく『無理をするな』と言われるんだけれど、どこまでが無理じゃなくて、どこから無理なのかわからないんす」(爆笑)。

退院したら家事を家族に任せて、夏まではおとなしくすると言う。ソレがムリだと読んだ(爆笑)。


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