2011/08/05 (金)
■安らかに・・・ 作曲家、吉田正先生の奥様だった喜代子夫人が天寿を全うされ、門下生や関係者によって8月3日に葬儀が行われた。 先生が亡くなられてからずっと、日立市にある吉田正記念館を始め、膨大な著作物や記念オーケストラ等の管理に携わっておられた。その心労は大変なものだったろう。「吉田の13回忌までは」と気丈夫に生きてこられたが、大任を果たされた後はさすがにお疲れが一気に出たような感じだった。私たち夫婦も何度かお見舞いに病院を訪ねた。NHKの歌謡コンサートで奥様の大好きだった『霧子のタンゴ』を唄った時は、早くからテレビをつけて楽しみにしていらしたそうだ。7月31日に女房がお見舞いに行くつもりだったのに、私の都合で先送りしてしまったことが悔やまれる。 十数年前、歌謡コンサートで『おまえに』を唄うことになり、先生に直々のレッスンをお願いしたことからお付き合いが始まった。唄についての教えと共に、作曲家としての曲への思い入れなどを伺いたかったからだ。 「低音で唄える歌手を待っていた」と作曲家生活五十周年記念曲の『雪の慕情』を唄わせていただき、私は数十年の思いがかなった幸せを感じた。今でも唄うたびに先生の顔が浮かび、先生の思いがいかにしたら伝わるかを考え緊張する。 夫婦の思いやりにあふれた幸せな『おまえに』。やがて死に別れていく中での伴侶に対する恋慕の込められた『雪の慕情』。今更ながら深い歌だなと実感するとともに、歌い継いでいく責任の大きさを感じる。 お二人の霊がいつまでも仲良く結ばれていますよう、お祈り申し上げます。
お盆の時期は先祖の魂が家に帰ってくるといわれている。 思えば、仕事でご一緒させていただき、曲への思いを託された多くの先生が、あちらの世界へ旅立たれた。特に、NHKホールで唄うときは、吉田先生や宮川先生が見守っていられるの感じる。 念願の記念曲のレコーディングで、とても嬉しそうにはしゃいでおられた吉田先生。唄うごとに苦労を思い出されて「いさお、うまくなったなー」と励ましてくださった宮川先生。「ささき君、唄ってくれるかい」と渡辺岳夫先生に言われて、名曲が歌えることをすごく光栄に感じた『新巨人の星』。レコーディングの時は全員、鳥肌がたつほど感動し、渡辺先生の提案でコオロギの皆さんと同時録音、一発録りになった・・・。 いろいろなことが思い出されるとともに、感謝の念を新たにする。
★8月13・20日(土) 20:00〜20:54 Eテレ『名医にQ』「不整脈」 ★8月15日(月) 20:00〜 テレビ東京『アニソンBEST20』 出演が決まったのが収録の数日前。翌朝は葬儀が、収録はダラダラと予定を何時間も過ぎて25時30分。・・・ばよかった。 アニメ独特の世界観で作られた作品も音楽も、こんなことばかりやっていると、単なるギャグになってしまうような・・・。
ライブ 8月7日 なんば Hatch 17:00 開演 8月14日 Zepp Tokyo 17:00 開演 8月20日(土) 秋川キララホール 14:30開演『ロカビリーからアニソン』 8月28日(日) めぐろパーシモン大ホール 17:00 開演『田中公平30周年記念コンサート』
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