Diary 2005. 4

メニューに戻る
4月13日 (水)  

第一印象はこんなもん

昨日隣のベッドにいた84歳のおばあさんが退院した。こっちは言語障害だし、おばあさんは耳が遠いうえ家族以外はあまりしゃぺらなかった人だった。まー相槌程度のコミュニケーションはとったが。
今日早速次の患者さんが運ばれて来た。本当に運ばれて来たってゆー感じ^^; すざましい痛さを堪えている表情だった。腰の神経痛とかで、マジでつらそうっす。夜も痛いのかなーと他人事でも心配になった。でもうちのおふくろと同じか、ちょい上の年の頃で、だいぶ平均年齢が下がった^^; これがU山さんの第一印象だった。


4月14日 (木)  

『泣いたりしないで』

今日は木曜、レントゲンとシャワーで、唯一ベッドから離れる日だ。ってゆーても体を起こすわけではない。ストレッチャーで運ばれるだけのこと。でもレントゲンは1階にある。整形外科の外来の近くを通るし、すぐそこまで行くとロビーっていう記憶を思い起こさせる。

手術することになり、コノ病院の外来に何度か通ったが、ちょうどいつも昼過ぎだった。ロビーにあるテレビはNHKの朝の連続ドラマ小説『わかば』の再放送が始まり、主題歌である福山雅治の『泣いたりしないで』が流れていたのを思い出す。
 ♪あなたがいる それだけで頑張れるんだよ
「これから何時間待たされるんか」と思いながらきいてた(爆笑)。

福山雅治といえば、この前来てくれたNちゃんが「Rayさんの隣のベッドに福山雅治のよーな人がいることを期待して来た」と書き残して帰って行ったっけ。ますます出るモノが出ないっつーの(爆笑)。あー変なコトいうよな、ったく^^;


4月15日 (金)  

「S先生の総回診です」

隣の福山さん、いや違う(爆笑)、U山さんは昨日のブロック注射でだいぶ痛みが軽くなったらしい。よかったー。

金曜日は、部長回診と、前日のレントゲンの結果をR先生から聞く日である。回診というと、「財前教授の総回診です」とか言って、ぞろぞろ医者の軍団が来る、『アメージング・グレイス』なんか聞こえちゃうものを想像する(爆笑)が、S先生は毎日朝早く一人で病棟の患者を見て回り、「お菓子なんか食ってるから太るんだよ!」とか吐いていっちまう(爆笑)。ソレの、ナースのお供付き版みたいなモンだ(爆笑)。医者としての仕事はしてる、それは誤解なく! ただ口は悪いのは悪いらしい。
悪い「らしい」というのは、S先生は口が悪いならRayはすげー悪いということになるのだ(爆笑)。そんなのテレ隠しじゃん。ピートたけしが毒舌を吐くのは繊細さとか自分の弱さを隠してだまくらかす(爆笑)ものだと思うのさ。それと同じこと。後から聞いた話では、S先生の専門は整形外科の中でも「手」だって。繊細じゃないとできないんすか、顔に合わないけど(爆笑)。

レントゲンの結果をR先生から聞くほうが怖い(爆笑)。


4月16日 (土)  

証人あらわる

U山さんが運ばれて来る前日、隣の隣の病室からT井さんが、ウチの病室の若いママさんがいたベッドに「仮転床」されてきた。1週間くらいウチの病室にいて、また元の病室へ移って行った。T井さんは70代に入ったかなという歳で、両膝を人工関節にするとかでもう片膝の手術待ちだが、リハビリを兼ねて隣の産婦人科病棟の新生児お披露目ルームまで杖で歩くし、口や耳は非常に達者な方だ。冗談も通じるし、U山さんとは元の病院が同じらしく(元の病院の先生がコノ病院にも週に何度か診察しに来る。Y先生と同じで、高度な手術や治療が必要な患者をコノ病院に回すらしい)、よく話す。

夜7時半頃、ハツコさんが突然歌いだし、誰かの足音が聞こえいつものように歌うのをやめた。「今歌ってたよね?」とT井さんがきいて来た。やっと証人が出て来たかーと思って頷いた。病室にきたナースのNさんにそのことを話し、Nさんがハツコさんにいろいろきいてくれた。この夜はハツコさんは調子がいいらしく、小さいころ踊りを習ってたと言い、手振りつきで歌ってくれた。まさに「三つ子の魂百まで」ってこの事かー(96を四捨五入したが(爆笑))と思った。


4月17日 (日)  

なぜか重い

ハツコさんは明日退院する。本人はソレを知らない。今日は周りのリクエストに答えてくれて、昼間から『東京音頭』を歌い踊っていた。

消灯後横向きで寝ていたら、左脚が重くなってきた。何も載ってないことは頭ではわかっているが、重しがのっかってる感じがしてしょーがない。Hさんに、仰向けになることを防止するアコーディオンクッションを気持ち動かしてもらうが、変わらない。人間一人は載ってる。あり得ないけど、圧迫感はあるのだ。わからねーよ、自分の脚なのに。こーゆうこともあるんだよな。


4月18日 (月)  

なっちゃんはつむじ風

病棟のナースたちはA,B,Cとチームに分かれ、それぞれ分担された病室とナースステーションを何百と往復する。でも患者用の共同トイレでナースコールを押した時や、瞬間的にチームのナースがいなかったり、夜や週末体位交換など人手がいることをやってもらったりする時、別のチームのナースが来る。
手術前トイレに行こうと廊下を歩いてたら、「はじめまして、通りすがりの看護婦です」とふざけて言いながら、Rayの周りを1周して去ったナースがいる。魔法使いのマネかー、でも結構美人だったぞというのが他のチームのナース「なっちゃん」との出会いだった。「しゃべらなければイイ女なのにさ」、「何っ、その『しゃべらなければ』って! おとなしくてイイ女でしょ、私って。そうでしょ、Rayちゃん!」。あー言えばこー言って面白い。Nさんが正統派美人ナースなら、なっちゃんは福山雅治のラジオのように、ルックスと違う面白さで、「天は二物を与えたぞ。ずるいな」と思うほど面白い人だ。
真夜中横向きにしてもらおうとして、ナースコールを押したら、なっちゃんともう一人のナースがきた。呼吸を合わせ横向きにしてもらうが、一人のナースがアコーディオンクッションを背中に当てる時、もう一人が患者の患肢の膝と仙骨を支え横向きの体勢をキープする。その夜のその時なっちゃんは膝と仙骨からわざとふっと手を離し、すぐに支えるのを繰り返した。いたずらだ。真夜中だから声は出せないから、コッチは笑いを堪えるのに必死だ。それを見て余計にいたずらする。ったくもう真夜中に襲うのはやめてくれー(爆笑)。


4月19日 (火)  

U山さん起こし隊

U山さんは腰のけん引をしている。気持ちよさそうだ。たまにいびきをかいて寝ている。瞬間的に深く眠りに入れる人らしい。でも確かU山さんの主治医のM先生が、けん引している時は眠らないでと言っていた。
「ちょっとちょっと、ワカちゃん来て」と、廊下を通っていた別のチームのナースであるワカちゃんを呼んだ。ワカちゃんは、顔を見ているだけで、ほんわかとしてなぜか笑みがこぼれる。Rayにとっての癒し系。本人は顔を見られ笑われていると思ってる。すげー誤解だって^^; 「なーに?Rayちゃん」、「U山さんがカンペキに寝ているけど、けん引中いいの?」、「ほんとはいけないけど、今起こすと驚いて動くから余計悪い」。さすがベテラン(でも30代なかばだよーん)。そっと肩を叩きながら、「U山さん、U山さん、U山さーん」と静かに呼んで、U山さんを起こした。

それからというものの、ワカちゃんと目が合う度に、U山さんが起きているかどーか2人で確認するアイコンタクトは続いた(爆笑)。


4月21日 (木)  

ほんの序章 その1

夜8時すぎ呼吸器疾患の70代と思しき女性が、酸素ボンベをつけたまま車椅子でハツコさんのいたベッドに入ってきた。ココは整形外科病棟だが、内科のベッドが空きがなかったらしい。都心の病院から転院してきたということで、おばあさんは、言葉からもあふれ出すほどやさしい旦那さん(あんな男の人もいたんだよな、世の中には。多分Rayとは巡り合わないと断言するね。物足りないから(爆笑)。ソフトSMだから(爆笑))に連れられて来たのだ。
旦那さんが帰っていった後の真夜中のこと。足元のほうで物事がする。ものすごい勢いでガサガサと何かを探している。あのおばあさんだ。普通こんな真夜中に、しかも6人部屋でしないだろう。探しても探し続けた。もはや時間も場所も認知できていないらしい。

とうとう来たかと思った。でもコレは序章にすぎなかったのだ^^;


4月22日 (金)  

ほんの序章 その2

ゆうべのおばあさんは午前中は何事もなかったように、過ごしていた。呼吸器疾患だからゼーゼーしてて、普段見たことがない内科医が何人か出入りしていた。ところが午後検査が終わって旦那さんが一休みでベッドを離れた時だ。突然自宅に帰ると騒ぎだした。看護師長が出て来てなだめ落ち着かせた。さすが看護師長、動じない。どうやら前いた都内の病院では毎週末自宅に帰っていて、転院したことを忘れてしまったらしい。落ち着いたもののやはり自宅に帰りたいと言って、ナースが内科医の許可を取り旦那さんに薬を渡して、帰っていった。

金曜日なので、夜R先生からレントゲンの結果を聞いた。異状なし。ワイヤーを外す手術の日が決まったそうだ。ゴールデンウィーク明けの5月9日だ。またあんなに痛いのかとビビり始めた(爆笑)。


4月23日 (土)  

『ビューティフルライフ』より『ワンダフルライフ』

夕方の横向きタイムの時に、大学時代のサークルの後輩同士のカップルであるヨコメガネ夫妻が見舞いに来てくれた。奥さんが結婚する前股関節の手術をしたことを聞いてたので、入院前に連絡して、不安をきいてもらっていた。
「ますます(横に)大きくなったな。このどこがキムタクなんじゃ」
と旦那を見て、彼女をからかった。彼女は入院中『ビューティフルライフ』の常盤貴子扮する車椅子のヒロインと自分をダブらせ、私にはいつキムタクが迎えに来てくれるかと思っていたらしい^^; まっ自分自身が『GOOD LUCK!』のキムタクか『ワンダフルライフ』(人間性に問題がある一流の野球選手が肩を故障しプロをやめさせられたが、リトルリーグの監督を無理矢理やらされていくうちに、人間性を取り戻し野球の面白さを再認識して、プロに復帰しようとするドラマ)の反町隆史だと思ってるヤツに言われたくないか(爆笑)。
「意外とRayさんが元気なので安心しました」
「入院前のアノ騒ぎが恥ずかしいほど、別な意味で騒いでるよ!」
喉元過ぎれば・・・ってまだ食道だろ(爆笑)。


| 1 | 2 | 3 |
2005/4
SuMoTuWeThFrSa
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

前月     翌月